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飲食繁盛店トップインタビュー|社員の物心両面の幸福追求が飲食店経営者の仕事【株式会社nadeshico 細川 雄也氏】

株式会社nadeshico代表取締役 細川 雄也氏にトップインタビュー

「人をオモイ、街をイロドリ、時をモテナス。」の企業理念を掲げ、2007年に旬菜酒場 菜でしこ 長浜店をオープンしてから滋賀県に続々と飲食繁盛店を展開する株式会社nadeshico。企業理念からもわかるように、代表取締役の細川 雄也氏は飲食店経営で「人」を一番に考えています

躍進を続ける株式会社nadeshicoを率いる細川氏の経営論をお伺いしました。飲食店を立ち上げたい、繁盛店に成長させたいと考えている方は必見です。

nadeshico代表取締役 細川 雄也氏

細川 雄也氏

株式会社nadeshico 代表取締役

「滋賀をおいしく、オモシロく」をモットーに、近江バルnadeshicoや魚丸など滋賀県に13の飲食店を展開中。

飲食店経営の他にも、コワーキングスペースの運営や滋賀のブランディング事業も手がける。

経営者の仕事は社員を幸せにすること

飲食店経営で大切にしているのは「とにかく社員を大事にすること」ですね。はたらく社員を幸せにできないのであれば、なんのために事業をやっているのかがわからなくなります。企業理念の最初に「人をオモイ」を掲げているのも、社員を大事にしたいという想いからです。

経営者としては「全社員の物心両面の幸福追求をいかにして実現させるか」ということを常に考えています。飲食店経営で、社員の幸福を追求するためには「お客様を喜ばせるしかない」しかないので、いつも「お客様をどうやって喜ばせるか」ばかり考えていますね。

社員を幸せにするためにお客様を喜ばせる、その結果が対価として社員に還元されます。経営者に回ってくるのは最後でいいんです。

会社の未来を勝ち取るために勉強する

世の中には色々なタイプの経営者がいると思います。中には社員よりも自分自身を大切にする人もいるでしょう。利益は出ているのかもしれませんが、社員を大切にしないと、いつか人に困ることになります。

経営者の仕事は社員を幸せにすることです。そのために経営者ができることはとてもシンプルで「新しい顧客の創造」だと考えています。新しい業態を考えて、新しいお店を出店する、会社の未来を勝ち取ることが経営者の仕事なんですよね

だからこそ私は常に勉強しています。経営論に関する本を読み、尊敬する経営者の方とお話して吸収する、全ては会社の未来を勝ち取って、社員を幸せにするためです。

経営の軸があるからリーダーシップを発揮できる

経営者として影響を受けたのが稲盛和夫さんの著書『京セラフィロソフィ』ですね。京セラのように誰もが知る大企業でも社員の人間性を高めることにものすごく重点を置いていることを知って、「経営ってこういうことか!」と直感しました。経営者の師匠たちも口を揃えて「人の心を高めるのが大切」と言っているので、経営の軸は間違っていないと確信しています。

経営の軸があると、言動や行動に一貫性を出せるので、社員に対してもリーダーシップを発揮できます。むしろリーダーシップを発揮して、背中を見せなければ、社員は付いてこないんですよ。業績を上げて、店舗数を増やして、社員の給料を上げていく、これが経営者の責任なので、社員に背中を見せて本気を伝えるように意識しています。

心が変われば人生は楽しくなる

インタビューに答える細川雄也氏

社員の給料を上げれば、物的な部分つまり経済的には豊かになるでしょう。しかし、nadeshicoではたらく社員には、心的な部分つまり仕事を通じてのやりがいや生きがいといった心の豊かさも感じてほしいですね

私は「仕事=人生」だと思っています。世の中にはワークライフバランスのように仕事とプライベートを切り分ける考え方もありますが、それとは逆に両者を切り分けない考え方です。仕事が人生になっているから、面白いんですよ

なので、はたらく社員の心を変えてあげたいと思っています。考え方の心が変われば、生きることが楽しくなります。「生きるっていうのは楽しいことやぞ」と社員に生き方を伝えるのも私の仕事です。心が変わることを掴んだ社員は、とても楽しそうに仕事するようになります。心がプラスの変化をしている瞬間を見れたときは、私も幸せを感じますね。

パッションと緻密を使い分けることが大切

経営者として企業理念を熱く語って、人の心を変えていくパッションを示すことはとても大切です。これができないと、社員はまず付いてきません。社員を絶対に裏切らないという熱いパッションがあるからこそ、社員の心にも火がつきます。

ただパッションがあっても、戦略が粗雑であれば元も子もありません。実際に仕事を実践するときは、「滋賀を、もっとオモシロく」というモットーをベースに、かなり緻密に戦略を練っています

飲食店を経営していくうえでは、1番であることが大切です。1番でなければお客様から認知されず、いつか負けてしまいます。そうならないためにも、「いかにして滋賀県で1番を獲るか」ばかり考えています。

マーケティングもかなり緻密です。「印象や感覚でなく、分析して数字で語ろう」と日頃から言っていて、そのためにマーケティング部も設立しました。原価率を1%下げるために、どうすればよいかを皆で考えて、私も最前線で各方面と交渉しています。

「三方よし」は必ず実現できる

買い手よし、売り手よし、世間よしの「三方よし」は近江商人の活動理念を表す言葉です。私は飲食店経営で「三方よし」は実現できると思っています

サポーター企業である農家さんと話をしていると「いくらで買ってくれますか?」と聞かれる時がありますが、必ず「そちらで決めてください。」と返答しています。商品の価格は市場の原理で決まるので、仮に弊社が高価で買っても農家さんのためにならないからです。いかによい野菜を作っているか農家さんにPRいただき、弊社がその野菜にどれだけ付加価値を付けて販売できるかをいつも真剣に考えています。

買い手である弊社、売り手である農家、その先にいるお客様や地域社会すべてをよくしていくためにも、今後もパッションと緻密さを持って飲食店経営に励んでいきたいですね

―貴重なお話をいただきまして、誠にありがとうございました。

「お客様をどうやって喜ばせるか」を常に考えている株式会社nadeshico様では、飲食店に特化したコミュニケーションツール『botto』が活用されています。「お客様をこうやって喜ばせた」「こうすればお客様はもっと喜ぶはず」といった現場でのリアルな声を吸い上げて、それに対して経営者がフィードバック返信できるのが、『botto』の特徴です。

以下より詳しい資料がダウンロードできるので、『botto』が気になる方はぜひご覧ください。