「POSレジを導入したいけれど、費用捻出が大変…。」とお困りではありませんか?
多くの飲食店で導入が進むPOSレジは、補助金や助成金を活用することで、費用を抑えての導入が可能です。POSレジを導入できれば、データに基づく経営に近づけるでしょう。
本記事ではPOSレジ導入で活用できる補助金・助成金について解説しています。
実際に補助金・助成金を活用してPOSレジを導入した事例も解説しますので、POSレジの導入をお考えの方は必見です。
POSレジ導入に使える補助金・助成金について
POSはPoint of Sales(販売時点情報管理)の略称であり、伝票のスキャンやハンディターミナルでオーダーした時点で、売上情報を瞬時に登録できるシステムのことです。POSシステムを導入したPOSレジは飲食業界で急速に広まっています。
POSレジは、システム導入の他にもレジスターやハンディターミナルなどの周辺機器を購入する必要があり、1店舗あたり50万円以上の初期費用となることも珍しくありません。
そこで活用を検討したいのが補助金や助成金です。金融機関からの融資とは異なり、通常は返済義務がない補助金や助成金を使えば、初期費用を抑えて最先端のPOSレジが導入できます。
POSレジを導入するメリット
補助金や助成金について確認する前に、POSレジを導入するメリットを確認しておきましょう。主なメリットは以下の3つです。
- 操作ミスや不正が起こりにくくなる
- スタッフの負担が軽減される
- お店の売上状況を分析できる
それぞれのメリットを掘り下げて確認していきます。
操作ミスや不正が起こりにくくなる
POSレジは従来の手計算と比べてスタッフの操作ミスを減らせるのがメリットです。直感的な操作ができるだけでなく、ハンディターミナルや席上のモバイルオーダーと連携している場合も多いので、ヒューマンエラーを防げる可能性が飛躍的に高まります。
販売した商品が即座に情報登録されるPOSレジは、売上情報や在庫情報と紐づけされるのが一般的です。あらゆる情報が紐づけされるため、万が一不正が行われても、すぐに原因を追求できるのもメリットだといえるでしょう。
スタッフの負担が軽減される
POSレジでは事前に料理やドリンクの価格を設定でき、オーダーと同時に売上が計上されるため、手作業でのオーダーテイクや売上の締め作業などスタッフの負担が軽減されます。
従来の煩雑な商品入力をする必要がないため、ホールスタッフはお客様に目を配りやすくなり、料理やドリンクのおすすめを紹介したり、お困りごとに気づいたりと接客に注力できるようになるでしょう。
お店の売上状況を分析できる
POSレジでは売上情報やお客様情報をデータとして蓄積できるため、後々の分析に役立ちます。勘や感覚ではなく、データに基づくマーケティングをしたいと考える飲食店では、POSレジを導入することで大きなメリットが得られるでしょう。
出筋の商品やお客様情報を分析することで、売上や在庫の予測を立てやすくなります。無駄の少ない効率的な飲食店運営に近づけるのも、POSレジのメリットです。
POSレジ導入が対象となる補助金・助成金の種類
飲食店が使える補助金や助成金は数多く存在しますが、POSレジ導入では以下の4つが対象です。
名称 | 補助金・助成金区分 | 補助金額・補助率 |
IT導入補助金 | 補助金 | ・補助金額 最大450万円 ・補助率 1/2~3/4 |
小規模事業者持続化補助金 | 補助金 | ・補助金額 最大200万円 ・補助率 2/3~3/4 |
業務改善助成金 | 助成金 | ・助成金額 最大600万円 ・助成率 3/4~9/10 |
働き方改革推進支援助成金 | 助成金 | ・助成金額 最大200万円 ・助成率 3/4 |
それぞれの補助金・助成金の概要を確認しましょう。
IT導入補助金2023
IT導入補助金は、主に中小企業や小規模事業者が自社の課題を解決するためにITツールを導入する際に活用できる補助金です。
ハードウェアだけの申請はできず、ソフトウェアも同時に申請が必要なのが特徴といえます。POSレジの場合、タブレット端末やハンディターミナルだけの申請はできず、POSシステムをセットにするイメージです。
IT導入補助金はPOSレジを導入する企業の多くが検討しています。2023年8月以降も公募されるかどうか注目しましょう。
参考:「IT導入補助金」
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が持続的な経営を続けるための改善を支援するための補助金で、販路開拓や業務効率化につながる取り組みを支援しています。POSレジは働き方改革につながる業務効率化ツールであり、小規模事業者持続化補助金の対象です。
2023年7月現在、第13回が公募されており、2023年8月31日が事業支援計画書の受付締切日に設定されています。
業務改善助成金
業務改善助成金は、業務効率化によるスタッフの賃金引き上げを支援するための助成金で、中小企業や小規模事業者が対象です。令和5年度の業務助成金は2024年1月31日が申請期限に設定されています。
事業内最低賃金の引き上げ計画と業務効率化となる設備投資計画を進めることで、費用の一部が助成される制度であり、POSレジ導入も対象です。
参考:「業務改善助成金」
働き方改革推進支援助成金
働き方改革推進支援助成金は、労働時間の短縮など働き方改革に取り組む中小企業や小規模事業者を支援するための助成金です。資本金5,000万円以下もしくは常時使用する労働者が50人以下である飲食店が対象となります。
POSレジの導入はスタッフの労働時間の短縮につながるため、働き方改革推進支援助成金の対象です。
POSレジ導入で補助金・助成金を活用した事例
実際にPOSレジ導入で補助金・助成金を活用した事例を2つ確認しましょう。
- IT導入補助金を活用した事例
- 業務改善助成金を活用した事例
お店のPOSレジ導入で補助金・助成金を申請する場合の参考にしてください。
IT導入補助金を活用した事例
和歌山県和歌山市に本社を構える杏亭グループは、IT導入補助金2020を活用してPOSレジを導入した企業です。
お弁当屋を展開していた杏亭では、スタッフ1名が対面接客を行い、お釣りの受け渡しミスや手書き伝票によるオーダーミスが課題となっていました。
IT導入補助金を活用してPOSレジを導入したことで、会計ミスが9割削減できただけでなく、トッピングなどの追加注文が増加して顧客単価が2割も上がった好事例です。
参考:独立行政法人 中小企業基盤整備機構「IT導入補助金 活用事例」
業務改善助成金を活用した事例
北海道十勝地区のとある飲食店では、業務改善助成金を活用してPOSレジを導入しています。
こちらの飲食店では、ホールスタッフが注文をメモしてキッチンに伝えるスタイルであり、聞き間違いなどの注文ミスが頻発することが課題でした。
業務改善助成金を活用したPOSレジを導入したところ、注文ミスが減っただけでなく、オーダー履歴の管理による仕込み量の適正化や、繁忙期把握によるスタッフシフトの適正化にも成功しています。その結果、スタッフの時給を20円引き上げることができた好事例です。
補助金を使って積極的にPOSレジを導入しよう
POSレジは効率的な飲食店運営をサポートできるだけでなく、働くスタッフの負担も軽減できます。蓄積されるデータを活用すれば、勘と経験に頼るマーケティングからの脱却も可能です。
魅力的なツールであるPOSレジを導入するためには、補助金を積極的に活用しましょう。補助金の申請は提出する書類が多くて面倒くさいと思う人もいるかもしれませんが、書類を作成することによってお店の状況を再確認することにもつながります。POSレジを導入する際は、ぜひ補助金の活用をご検討ください。