「在庫管理をしたいけれどシステムを導入する費用がない…。」とお困りではありませんか?
材料の入出庫など簡単な在庫管理表であれば、エクセルでも作成可能です。
本記事では在庫管理をエクセルでするメリットや在庫管理表の種類を解説します。
また、そのまま使える無料の飲食店向けエクセル在庫管理表(Excel)をご用意しています。ダウンロードしてご活用ください。
飲食店の在庫管理にエクセルを使うメリット
多くの食材や飲み物を扱う飲食店では在庫管理が欠かせません。エクセルでの在庫管理には以下のメリットがあります。
- 安価で導入できる
- 誰でも操作できる
- グラフで見える化できる
それぞれのメリットを確認していきましょう。
安価で導入できる
飲食店で使うPCには最初からエクセルがインストールされている場合も多いでしょう。もしインストールされていなくてもオフィスソフトは数万円で購入できるので、比較的安価で導入できるのがメリットです。
エクセルがインストールされていれば、在庫管理以外に営業管理や日報の作成もできます。1つのソフトで複数のことができるため、PCにはエクセルをはじめとするオフィスソフトをインストールすることをおすすめします。
誰でも操作できる
エクセルはPCツールの中でも知名度が高く、使ったことがある人も多いでしょう。複雑な関数やマクロなどを使わなければ、誰でも操作できるのがメリットです。
在庫の入出庫や在庫数の確認であれば、エクセルで簡単な数式を入力するだけで、在庫管理ができます。数式が壊れないように、セルにロックをかけておくなど工夫することで、トラブルを防げるでしょう。
グラフで見える化できる
エクセルにはグラフを生成する機能があります。うまく使えば飲食店の在庫状況を見える化できるのもエクセルで在庫管理するメリットです。
在庫の入出庫をグラフ化することで、時期ごとの消費量が視覚的にわかるようになり、適切な在庫発注の目安にできるでしょう。また在庫量を見える化しておけば、発注点がわかるようになるので、発注忘れを防ぐことにつながります。
エクセルで在庫管理表を作るポイント
飲食店の在庫管理表を作るときは以下のポイントを意識しましょう。
- シンプルに作成する
- 運用ルールを決める
- バックアップを忘れない
それぞれのポイントを掘り下げて確認していきます。
シンプルに作成する
エクセルで飲食店の在庫管理表を作る場合、関数やマクロなどにこだわろうと思えば、いくらでもこだわれます。しかし、複雑な関数やマクロを作った人しかわからない状態にすると、その人が退職するなどいなくなった場合に、メンテナンスができなくなる可能性もあるでしょう。
在庫管理表をエクセルで作る場合は、多くの人が使うことを想定してなるべくシンプルな構造を心がけることが大切です。セルのロック機能を使えば、複数の人が使っても数式を崩さずに保てます。
運用ルールを決める
飲食店でエクセルの在庫管理表を使う場合は、誰が・どのタイミングで・どの項目を編集するか運用ルールを定めることが大切です。
例えば、冷蔵庫やチャンバーの近くにPC端末を置いておき、食材を使用する際に在庫管理表を更新するなどルールを決めましょう。ルールを決めておくと、更新不備が少なくなるため、効率的な在庫管理ができます。
バックアップを忘れない
在庫管理表は日々更新されるもので、データが消えてしまうと現状がわからなくなるのが欠点です。
PCの端末上やサーバーで管理している場合、不測の事態が起こったときに最新の在庫管理表にアクセスできなくなる可能性があります。最悪の事態を想定して、サーバー以外にもクラウドにデータを保管するなど、バックアップを忘れないことが大切です。
エクセルで作れる在庫管理表の種類
エクセルで作れる在庫管理表は大きく分けて以下の2種類です。
- 単票タイプ
- 在庫移動表タイプ
以下でそれぞれの在庫表の特徴を確認しましょう。
単票タイプ
単票タイプのエクセル在庫管理表は、1つの商品の管理表を作成して在庫管理を行います。上図のように入庫・出庫・在庫数・担当者を日付ごとに記入する管理表です。
在庫の動きを確認でき、誰でも簡単に使えてわかりやすいのが特徴だといえるでしょう。日付と在庫数量をグラフ化すれば、視覚的に在庫の動きを把握できます。単票タイプの在庫管理表は印刷することで、棚札としても利用可能です。
在庫移動表タイプ
在庫移動表タイプの管理表は、複数の商品を一覧で記載して在庫管理を行います。上図のように縦軸に商品名、横軸に日付に日付を入れるのが一般的です。
複数の商品を一覧で確認できるため、飲食店の在庫状況を総合的に判断できるのが、在庫移動表タイプのメリットだといえるでしょう。単票タイプの在庫管理表と同様に、グラフ化して在庫の動きを見える化することも可能です。
【在庫移動表タイプ】在庫管理表をエクセル計算式で作成する方法
ここからはエクセルで対応できる在庫移動表タイプの在庫管理表を、複雑な関数やマクロを使用せずに簡単な計算式で作る方法を紹介します。
まずは縦軸に品番や商品名を記入し、横軸に日付を記入します。繰越数(C列)は前月末の在庫数(3月シートのJ列)とイコールになるようにしましょう。
次に簡単な関数を入れていきます。毎月1日の在庫数は前月繰越数(C列)+当日の入庫数(E列下段)-当日の出庫数(E列上段)ですので、それに合わせて計算式を入れましょう。2日目以降は、前日の在庫数+当日の入庫数(E列下段)-当日の出庫数(E列上段)となります。
在庫管理表の右端にリアルタイムの在庫が反映されるようにしておくと、誰でも在庫数が把握可能です。リアルタイムの在庫数は前月の繰越数+当月の入庫数合計-当月の出庫数合計となります。関数を使う計算式もありますが、上図のとおり1つずつセルを選択して数式バーに入力していっても問題ありません。
在庫管理表は多くの人が触ることを想定して作る必要があります。慣れない人が使う時に数式が壊れないようにするためには、セルのロック機能が有効です。
まずはロックしたいセルを右クリックしてセルの書式設定を選択し、保護タブにあるロックにチェックを入れます。
次にメニューバーの校閲タブからシートの保護を選択します。シートとロックされたセルの内容を保護するにチェックが入っていることを確認して、パスワードを設定しましょう。
セルのロックが正常にできていれば、仮に誤入力しても上図のとおり、警告が出て数字を入れることができなくなります。
担当者は出庫数と入庫数のみ数字を入れることにしてもらい、その他のセルにはロックをかけることで、ヒューマンエラーを防げるでしょう。
在庫管理はシンプルに!
在庫管理は飲食店の利益に直結する業務なので、エクセルなどのツールを使って適切に管理することが大切です。
エクセルを使った在庫管理表は複雑な関数やマクロを組み合わせれば、高度な管理もできます。しかし、特定の人しかわからない在庫管理表では担当者の工数が余計にかかり、負荷が増える可能性も否定できません。在庫管理はなるべくシンプルに行い、担当者の負担にならないように心がけましょう。
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