「評価があいまいでスタッフが不満を感じている…。」とお困りではありませんか?
多くのスタッフが働く飲食店で、不公平感を少なくするために導入したいのが「評価制度」です。
本記事では飲食店における評価制度導入のメリットやポイントをわかりやすく解説します。評価項目の一例も合わせて解説しますので、管理者の方は必見です。
人事評価制度とは?
飲食店における評価制度は、いわゆる「人事評価制度」のことです。人事評価制度とはスタッフの業務内容や成果を客観的な基準に基づいて評価して、昇進や時給などを決定することを指します。
適切な人事評価制度があれば、スタッフのモチベーションが向上し、人材が定着しやすくなるでしょう。一方で評価基準や評価方法が不明確な人事評価制度の場合、スタッフの不満が高まり、離職率が高まる可能性があります。
飲食店で評価制度を導入するにあたっては、スタッフとのコミュニケーションを深めて、評価基準や評価方法を共有し、公正な評価ができる環境を整えることが大切です。
飲食店で評価制度を導入するメリット
飲食店で評価制度を導入することで、以下のメリットがあります。
- スタッフのスキルが可視化できる
- スタッフの不公平感を少なくできる
- 活気あふれるお店づくりができる
それぞれのメリットを掘り下げて確認していきましょう。
スタッフのスキルが可視化できる
飲食店に評価制度を導入する際に評価シートを活用すれば、スタッフのスキルを可視化できます。
評価シートは評価項目と評価基準を定めて、項目ごとに点数をつけていく評価方法です。例えば、10点満点の評価シートがあり、ある調理スタッフは料理の盛り付けスキルが5点、衛生管理に関する意識が8点だったとします。
この場合、伸ばすべきは料理の盛り付けスキルだとすぐにわかるでしょう。スタッフのスキルが可視化できれば、教育と連動させて、長所を伸ばして短所を改善していくことが可能です。
スタッフの不公平感を少なくできる
公正な評価を意識することで「あの人の方が仕事をしていないのに、自分より時給が高い…。」などの不満を少なくできます。
評価制度が明確であれば、スタッフ自身がどのような基準で評価されているのかがわかりやすくなり、自己評価や目標設定もしやすくなるでしょう。スタッフ同士の競争心も生まれやすくなるため、モチベーションも向上します。
公正な評価によって昇進や時給が決まれば、スタッフの不公平感が少なくなるでしょう。結果として職場の雰囲気が良くなるのがメリットです。
活気あふれるお店づくりができる
飲食店で評価制度が構築できれば、スすタッフのモチベーションが高まり、コミュニケーションが取りやすい環境が作れます。そうすれば自然と活気あふれるお店になっていくでしょう。
評価制度の導入でスタッフ同士の競争心が生まれ、切磋琢磨することでスキルアップにつながります。スタッフ同士の連携もよくなるため、チームワークが向上して仕事が効率化するでしょう。結果として、サービス品質が向上するため、より活気あふれるお店づくりにつながります。
飲食店で評価制度を導入するときのポイント
飲食店で評価制度を導入する際は、以下のポイントを意識しましょう。
- 数値化して判断する
- スタッフに自己評価してもらう
- 評価者は複数にする
- 振り返りを行う
具体的な内容を確認していきます。
数値化して判断する
スタッフの不公平感を少なくするためには、数値化しての判断が必須です。5段階や10段階など項目ごとに点数をつけるようにしましょう。
数値での評価を行うためには、基準を設ける必要があります。例えば、接客態度の評価項目であれば、「8点:笑顔で接客対応ができている」「10点:笑顔で接客対応ができており、お客様に料理の提案ができている」と具体的な行動指針を示してあげましょう。
評価の中には基準を設けにくいものもありますが、なるべく言語化して数値とリンクさせることが大切です。
スタッフに自己評価してもらう
飲食店でスタッフを評価する場合は、一方通行にならないように注意が必要です。店長やマネージャーからの一方的な評価では、スタッフの不満が溜まる可能性があります。
まずはスタッフに自己評価をしてもらいましょう。スタッフの自己評価と店長の評価でギャップが生まれる可能性がありますが、そのギャップを埋めるための取り組みがお店の成長にすつながります。
評価者は複数にする
公正な評価のためには、店長やマネージャーなど複数の評価者を設定することが大切です。評価をする人が1人だけの場合、評価に偏りが出てしまい、公平なジャッジができない可能性もあります。
複数の人で評価する場合は、基準を周知徹底することが大切です。曖昧な基準で評価をしてしまうと、逆に1人で評価するよりも評価のばらつきが大きくなってしまいます。評価する人を複数にするのはあくまで公正な評価のためなので、注意が必要です。
振り返りを行う
飲食店での評価制度は導入して終わりではうまく機能しません。評価後は面談の中でスタッフにフィードバックしましょう。
フィードバックによる振り返りをすることで、スタッフの自己評価とのギャップが確認でき、スタッフに求めることも明確にできます。お店とスタッフ双方で評価に対する納得感が生まれやすくなるでしょう。
スタッフを評価する時は、振り返りを必ずセットで考えることが大切です。
飲食店の評価制度における項目の一例
飲食店の評価制度では数多くの項目が存在します。どの項目がよいかわからない方は、以下の必須項目を盛り込んでみましょう。
- 業務に取り組む姿勢と意欲
- ビジョンやコンセプトへの理解
- 業務を遂行するスキル
- チームワークと人間関係
それぞれどのような項目か掘り下げて確認していきます。
業務に取り組む姿勢と意欲
業務に対する「やる気」を測る項目です。この項目の点数が高いスタッフほど意欲的に業務に取り組むため、スキルの習得が早くなります。
仕事に取り組む姿勢と意欲は、いわばスタッフの土台ともいえる指標です。土台がしっかりとできていないと、何を教えても積み上がりにくいため、まずはスタッフの姿勢と意欲を高めてあげることが必要となります。
ビジョンやコンセプトへの理解
お店の目指す姿を理解しているかどうかを測る項目です。この項目を理解しているかどうかで、業務品質が大きく変わります。
ビジョンやコンセプトをスタッフが理解できていない場合は、業務に取り組む姿勢や意欲にも影響が出ます。「なぜこの仕事をしないといけないのか」という疑問を解決してあげることで、スタッフの行動が変化していくでしょう。
業務を遂行するスキル
調理や接客など、目に見えるスキルを評価する項目です。スキルは一朝一夕で習得できるものではないため、教育訓練と連携させる必要があります。
スキルの得意・不得意を明確にして教育訓練と連動させれば、スタッフの成長が早くなるでしょう。スキルに関しては、評価時だけではなく日々の振り返りが重要です。日々できたこと、できなかったことを振り返ることで、確実にできることが増えていきます。
チームワークと人間関係
飲食店でのコミュニケーション能力を測る項目です。スキルが高くても、周りのスタッフと連携できない人材はお店にとってマイナスとなる可能性があります。
いくら料理が美味しくても、スタッフ同士がぎこちなく活気がないお店は、繁盛店にはなりにくいでしょう。チームワークがよく、人間関係が構築できているお店の方が、雰囲気がよいのは明白です。
飲食店における評価シートの作り方
飲食店での評価シートは以下の手順を意識するとスムーズに作成できます。
- 評価項目を設定する
- 評価基準を決める
- 振り返りができる仕組みを入れる
順を追って評価シートの作り方を確認していきましょう。
評価項目を設定する
まずは評価する項目を設定します。スキルとメンタルでバランスよく設定することが大切です。
スキル項目の例 ・マニュアルに従って、仕込み作業ができる ・切る、蒸す、焼くなど基本的な調理手法により、調理ができる ・料理に適した食器を使って、見本通りに盛り付けできる メンタル項目の例 ・清潔な身だしなみで丁寧な言葉づかいで接客している ・チームワークを大切にして、適切な声掛けをしている ・「おもてなし」の気持ちを忘れない |
上記のように、スタッフに求めることを洗い出して項目に落とし込みましょう。しかし、細かく設定しすぎると、評価する時に大変になるので、バランスを考えることが大切です。
評価の基準を決める
次に項目ごとにどのレベルまでできれば〇点といったように基準を明文化します。キッチンの仕込み業務を例にして考えてみましょう。
- 10点:予約と食材の在庫を照合して、必要な仕込み数を算出して作業できる
- 8点:社員から必要な仕込み数を指示してもらって作業している
- 5点:野菜を切るなど一部の仕込み業務ができる
このように同じ仕込み業務でも、できる範囲によって評価点を決めておけば、公正な評価ができます。スタッフもどのレベルまで仕事ができれば、評価されるのかわかりやすくなるので、前向きにスキルアップに取り組むようになるでしょう。
振り返りができる仕組みを入れる
評価シート上に自由記述のコメント欄を設けて、評価を付けた根拠やスタッフに求めることを文章で伝える仕組みを作れば、評価時に振り返ることができます。
単純に点数だけで評価せずに振り返りによる改善サイクルを回すことが、飲食店の評価シートを作るうえでは大切です。評価シートを単なる通知簿にせず、飲食店を成長させるためのツールだと考えて作成しましょう。
評価の振り返りはスタッフの成長に必須
飲食店の評価制度は作るだけで満足してはいけません。評価をスタッフにフィードバックして、業務の振り返りを行うことで、スタッフの成長サイクルを回すことを意識しましょう。
日々の業務を振り返って改善サイクルを回したいのであれば、飲食店に特化したコミュニケーションツール『botto』がおすすめです。『botto』はスタッフが日々の気づきを書き込めるアプリで、それに対してスタッフがコメントを返信できます。
『botto』では導入に関する無料相談をお受けしております。気になる方はお気軽にお問い合わせください。