「サブスクを始めたいけれど、始め方がわからない」とお悩みではないでしょうか?
経営にどう活かせるかという観点で、サブスクの内容を把握しておくと、導入に向けての準備がしやすくなります。
本記事では、飲食店におけるサブスクのメリットやデメリットを解説します。飲食店で効果の出ている事例も紹介しているので、サブスク導入を検討されている方は必見です。
飲食店におけるサブスクとは?
サブスク(サブスクリプション)は定期的に利用料金を支払ったお客様に対して、サービス提供するシステムのことです。デジタルコンテンツのサブスクであるNetflixやSpotifyを耳にしたことがある人も多いでしょう。
飲食店でもサブスクを展開している企業は増えており、これからさらに普及してくことが予想されます。特に飲食店は競合が多いため、安定した収益確保が難しい業界です。安定した収益を確保できる可能性が高まるサブスクは、飲食店にとって魅力的だといえるでしょう。
月額制のサブスクを展開した場合には、登録者数×月額料金が売上となるので、先行きの見通しを立てやすくなります。
飲食店におけるサブスクのメリット
飲食店でのサブスクの導入にあたっては、得られるメリットを理解しておくことが大切です。ここでは以下の3つのメリットについて解説します。
- リピーターができやすい
- 売上が安定する
- データを活用しやすい
リピーターができやすい
サブスクはお客様が定期的に一定金額を支払うシステムのため、必然的に来店頻度が増えます。お客様にお店のサービスを気に入ってもらえれば、リピート率が向上して長期的に良好な関係を築けるため、安定的な収益確保が期待できるでしょう。
リピーターが増えることでお店の口コミが広がり、多くのお客様に知ってもらう可能性も広がります。サブスクはリピーターを増やすための戦略として活用できるでしょう。
売上が安定する
飲食店ではお客様が来店して飲食したり、テイクアウト商品を購入したりすることで、初めて売上が得られます。コロナ禍で来店客数が減少してしまい、売上が低迷したお店も多いでしょう。
サブスクでは登録者数×月額料金がお店の売上になります。オリジナル商品の定期発送など、お客様が来店しなくても受けられるサブスクであれば、季節や天候に左右されにくいため、安定した売上が期待できるでしょう。
データを活用しやすい
サブスクは顧客データや嗜好に関する情報を集めやすいサービスです。データを活用することでターゲットを明確にしたサービス戦略を考えられるため、より効率的な店舗運営が可能となります。
例えば、サブスクでお客様の来店履歴を記録し、来店頻度やパターンを確認したとします。定期的な来店パターンが分かれば、特定のお客様をターゲットとした特別サービスを提供できるでしょう。
データを活用することでリピーターを獲得しやすくなり、結果としてお店の売上確保につながります。
飲食店におけるサブスクのデメリット
サブスクにはメリットがある一方でデメリットもあります。ここでは以下の3つのデメリットについて要点を解説していきます。
- 仕組み作りに工数がかかる
- トラブルにつながるケースがある
- システム導入にコストがかかる
飲食店でのサブスク導入は発展途上のため、リスクについて把握しておくことが大切です。
仕組み作りに工数がかかる
通常の飲食店運営とは異なり、サブスクには金額設定や決済システムの決定、サービス特典の設定など多くの仕組みが必要です。
サブスクはお客様が前払いで料金を支払うため、わかりやすいシステム且つ魅力的なサービス内容でないと購入されません。
多くのシステムを連動させて仕組み化するため、多大な工数がかかることがデメリットだといえます。
トラブルにつながるケースがある
サブスクでは、お客様が期待しているサービスと実際に提供されるものにギャップがあるケースが存在します。
例えば、食べ放題サービスに含まれていない料理を頼んで追加料金が発生するケースです。お客様にサブスクの内容がしっかりと伝わっていないと、トラブルが発生しやすくなります。
トラブルを未然に防ぐためには、サービス内容と支払い情報を明確にすることが大切です。曖昧なままスタートさせてしまうと、トラブルが起こりやすくなります。
システム導入にコストがかかる
サブスクではお客様にストレスを感じさせないために、システム導入が必須です。
システム導入はパッケージソフトの導入によるイニシャルコストと月額利用料やクレジットカード決済手数料などのランニングコストがかかります。
サブスクを導入する際は、発生する費用を事前に明確にして、何人集客すれば何年で費用回収できるのかシミュレーションしておくことが大切です。
飲食店でサブスクを導入した事例
ここからは飲食店で実際にサブスクを導入した事例を解説します。成功事例だけではなく、早期に販売中止となってしまった事例も紹介しますので事前にチェックをしてリスクを回避しましょう。
販売中止となってしまった事例:焼肉店
牛角の「食べ放題PASS」というサービスは月額11,000円で通常3,480円「牛角コース」が食べ放題になるというサブスクでしたが、開始直後に終了となった事例です。
お客様にとってお得感がある価格設定で、テレビにも取り上げられたことで利用者が急増しましたが、日経ビジネスでも紹介されているとおり、予約で席が埋まってしまい、サブスクを購入していても入店できないというケースが続出しました。
定期券を使う来店客が想定を超える見通しとなったもようで、レイズインターナショナルは7日午後3時に、焼肉食べ放題パスの新規販売を終了した。この間の販売数などは非公開というが、販売終了を知らせるリリースでは「予約で連日お席が埋まりご来店いただけない状態」と理由がつづられている。
日経ビジネス「牛角、焼肉の定額制食べ放題を販売終了 外食サブスクの難しさ」
需要を読み切れず、早期に終了せざるを得なくなった事例だといえるでしょう。
成功事例:コーヒーショップ
coffee mafiaは月額3,000円からコーヒーが毎日一杯飲めるというサブスクを展開しています。
ユーザーニーズに併せて、コーヒーだけでなく日本茶やラテを飲めるプランも選択可能です。飲み物だけでなくフードも提供しており、サンドイッチやサラダボウルなども都度払いで購入ができます。
コーヒー以外のフードをクロスセルすることができた成功事例だといえるでしょう。
飲食店におすすめのサブスク管理システム3選
サブスクを始める際に、どのシステムを導入すればよいかわからない人も多いでしょう。ここからは一般的に知名度の高いサブスク管理システムを3つ紹介します。
システム名 | 特徴 | 月額利用料金(参考) |
GMOおみせアプリ | ・クラウド型のPOSシステムとの連携が可能 ・キャンペーンやクーポンなどのツールが豊富 | ・Lightプラン(3店舗まで):月額22,000円〜 ・Standardプラン(10店舗まで):月額55,000円〜 ・Enterpriseプラン(店舗無制限):要見積り |
サブスクペイ | ・サブスク決済に特化したシステム ・契約期間や支払い方法などを自由に設定可能 | ・要お問い合わせ |
fabyサブスク | ・メニューやサービスを自由にプラン設定可能 ・キャンペーンやプロモーション機能が充実 | ・ 月額7,000円/月~ |
GMOおみせアプリ
GMOおみせアプリの主な特徴には以下のようなものがあります。
- 管理機能の実装が容易
- 自動更新や自動解約機能による顧客満足度の向上
- 顧客とのコミュニケーションが円滑になる
- 履歴管理により、改善点の把握が可能
管理機能が充実しており、顧客情報や支払い情報、契約内容の確認などの情報を一元管理できるのが大きな特徴です。
多数の決済手段にも対応しており、顧客のニーズに合わせた手段を提供できるため、顧客満足度の向上にも貢献できるでしょう。
サブスクペイ
株式会社ROBOT PAYMENTが提供するサブスクペイの主な特徴は以下のとおりです。
- 簡単かつ迅速な導入が可能
- セキュリティが高い
- 多様な課金形態に対応
- 詳細なデータ分析が可能
24時間365日のオンラインサポートやFAQ、開発者向けのドキュメント提供などサポート体制が充実していることも特徴だといえるでしょう。
favyサブスク
株式会社favyが提供するfavyサブスクには以下のような特徴があります。
- 使いやすいサービス
- 導入コストが低い
- 会員券の作成ができる
- 会員へのお知らせ配信
自社が運営している直営店から生まれたサービスのため、飲食店の現場で使いやすいシンプルなツールが特徴です。
システムを導入すれば、サブスク運用のノウハウを提供する『サブスクアカデミー』というオンライン勉強会にも参加できます。
飲食店ではサブスク導入を検討をしよう
サブスクの導入は、新規顧客の獲得や安定した収益の確保にもつながる可能性があります。
サブスクで良質なサービスを提供できればお客様のリピート率が高まります。サービス内容によっては、お店の特色を出せるため、競合店との差別化も図れるでしょう。
飲食店では通常の営業だけでなく、テイクアウトやサブスクなど新たなサービスを組み合わせることが増えてきました。お客様に満足してもらえるお店作りに向けて、サブスクの導入を検討するのも1つの方法だといえるでしょう。