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【2023年版】飲食店で使える助成金・補助金を解説!事例も紹介

飲食店で使える助成金・補助金を事例も交えて解説

「飲食店でも使える助成金や補助金ってあるの?」と考えている飲食店経営者様も多いでしょう。

実は飲食店でも使える助成金・補助金は数多くあります。助成金・補助金が活用できれば、飲食店経営の幅も広がるでしょう。

本記事では飲食店で使える助成金・補助金の種類をわかりやすく解説します。実際に採択された事例も紹介しますので、飲食店経営者様は必見です。

飲食店が使える助成金・補助金について

システムや店舗設備の導入、人件費など飲食店経営には多額の投資が付きものです。国や地方自治体が支給する助成金や補助金を活用できれば、より理想的な飲食店経営に近づけます。

飲食店が使える助成金・補助金の最大の特徴は、金融機関からの融資とは異なり「返済する必要がない」ことです。仮に融資を受けずに自己資金だけで経営できる方でも、活用して損はありません。

助成金と補助金の主な違いは審査の有無です。助成金は条件さえ満たせば支給されるケースが多いですが、補助金は応募者の審査に通過した事業者のみに支給されます。そのため、一般的には補助金の方が助成金より高額になるのが特徴です。

飲食店で使える助成金・補助金の種類

飲食店で使える助成金・補助金の種類を解説

国や地方自治体が支給する助成金・補助金は数多く存在します。その中でも飲食店で使いやすいのは、以下の6つです。

名称補助金・助成金区分補助金額・補助率
事業再構築補助金補助金・補助金額 最大1.5億円
・補助率 1/3~3/4
ものづくり補助金補助金・補助金額 最大4,000万円
・補助率 1/2~2/3
IT導入補助金補助金・補助金額 最大450万円
・補助率 1/2~3/4
小規模事業者持続化補助金補助金・補助金額 最大200万円
・補助率 2/3~3/4
キャリアアップ助成金助成金・助成金額 労働者1人あたり最大72万円
働き方改革推進支援助成金助成金・助成金額 最大200万円
・補助率 3/4

それぞれの助成金・補助金について、掘り下げて確認していきましょう。

事業再構築補助金

事業再構築補助金は、事業の再編や新市場進出、業種転換など思い切った事業再構築に意欲のある中小企業を支援するための補助金です

2023年5月現在、第10回の公募がされており、成長枠やグリーン成長枠、物価高騰対策・回復再生応援枠などの枠が設定されています。補助金額の上限が1億円を超える枠もあり、事業者が大規模な資金投入が必要な事業再構築を行う場合は、申請を検討してみましょう。

飲食店でも「ECサイトの開設」や「冷凍調理製造業への挑戦」などで、事業再構築補助金が採択された事例もあります。補助金額も高額なため、注目の補助金だといえるでしょう。

参考:経済産業省「事業再構築補助金」

ものづくり補助金

ものづくり補助金は中小企業の生産性向上に必要な設備投資などの支援を行うための補助金であり、正式名称を「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」といいます。

2023年5月現在、第15次の公募がされており、通常枠や回復型賃上げ・雇用拡大枠、デジタル枠などいくつかの枠が設定されているのが特徴です。

ものづくりと聞くと製造業が対象と思われる方が多いと思いますが、飲食店でも活用できます。コーヒー焙煎機や急速冷凍設備など高額な設備投資がある場合に、活用したい補助金だといえるでしょう。

参考:「ものづくり補助金総合サイト」

IT導入補助金

中小企業や小規模事業者が自社の課題やニーズに合ったITツールを導入するときに活用できるのがIT導入補助金です。2023年5月現在も公募されており、通常枠の締切りが2023年7月31日に設定されています。

IT導入補助金は主にソフトウェアの導入をサポートするためのものであり、ハードウェアだけでは申請できません。POSレジでは、タブレット端末がハードウェアにあたり、クラウドで使用するPOSシステムがソフトウェアになります。

DXをスモールスタートさせたいと考えている飲食店は、IT導入補助金の活用を検討してみましょう。

参考:「IT導入補助金」

小規模事業者持続化補助金

小規模事業者持続化補助金は、小規模事業者が販路開拓などに取り組む経費の一部をサポートすることで、地域の雇用拡大や活性化に役立てるための補助金です。2023年5月現在、第13回が公募されています。

働き方改革やインボイス導入など、小規模事業者の負担を軽減させて、持続的発展を促す補助金です。小規模事業者にとっても補助金申請で経営計画を策定する過程を経て、自らの事業を見直すきっかけとなるでしょう。

参考:「小規模事業者持続化補助金」

キャリアアップ助成金

キャリアアップ助成金は、アルバイトやパートタイマーなどの有期雇用契約者や派遣労働者といった非正規雇用の労働者のキャリアアップを促進するための助成金です

正社員化コースや賃金規定等改定コースなど7つのコースに分かれており、キャリアアップ計画を作成・提出して、実際に労働者のキャリアアップに取り組むことで助成金支給を申請できます。

飲食店ではアルバイトスタッフの正社員への登用や、基本給の見直しなど賃金規定の改定により、活用できる助成金です。

参考:厚生労働省「キャリアアップ助成金」

働き方改革推進支援助成金

働き方改革推進支援助成金は、労働時間の短縮や有給休暇取得の促進に向けて取り組む中小企業事業主に対して、費用の一部を助成するものです

労働時間短縮・年休促進支援コースの他に、労働時間適正管理推進コースや勤務間インターバル導入コースなどが用意されています。

勤怠管理システムなどのツールを導入して、労働時間や休憩時間の管理、有給促進を進めるなど、働き方改革を行いたい飲食店は活用を検討してみましょう。

参考:働き方改革推進支援助成金(労働時間短縮・年休促進支援コース)

飲食店で助成金・補助金を活用した事例

飲食店で助成金・補助金を活用した事例を紹介

ここからは実際に助成金・補助金を活用した以下2つの事例を解説します。

  • 事業再構築補助金を活用した事例
  • IT導入補助金を活用した事例

活用事例を確認して、お店で助成金・補助金を申請する場合の参考にしてください。

事業再構築補助金を活用した事例

佐賀県唐津市にある「玄海肴処 旬風」は呼子イカなど天然魚介や地場食材を提供する飲食店です。新型コロナウイルスの影響で団体客が激減してしまったことを受けて、ECサイトでの販売事業に挑戦しました。

水揚げから加工、梱包までを一貫して行う加工製造業へ転換するために活用したのが事業再構築補助金です。補助金の活用により、食材の鮮度を保持して瞬間凍結させる3D冷凍機を導入しました

参考:九州経済産業局:「事業再構築補助金」採択・支援事例のご紹介

IT導入補助金を活用した事例

福岡県内を中心にレストランや宿泊施設を運営する株式会社グラノ24Kは、IT導入補助金を活用した企業の1つです。

レストラン事業で各店舗の売上や予約状況を店舗ごとに集計して本部に共有していましたが、共有作業に手間がかかり、収集したデータが活用しきれていないという課題を抱えていました。

IT導入補助金を活用して、新たなPOSレジを導入したことで、リアルタイムに売上や予約データが管理できるようになり、本部での一元管理が進んだ事例です

参考:九州経済産業局:サービス産業における施策活用事例(IT導入補助金)のご紹介

助成金・補助金を活用して飲食店づくりを盛り上げよう

少子高齢化によるスタッフ不足や、新型コロナウイルスによる客足の衰退、ITツールの導入が進まないなど、課題を抱えている飲食店も多いでしょう。

本記事で紹介した助成金や補助金は、飲食店で活用できるものも多く、お店の課題を解決できる可能性もあるので、申請しない手はありません。助成金や補助金を活用して、より良い飲食店づくりを進めていきましょう。