「せっかく採用したアルバイトが早期に離職してしまう…。」
アルバイトの離職率が高くて困っている飲食店も多いでしょう。
学生アルバイトが初めて働くことが多い飲食店では、少しの工夫で離職率を下げて定着率を高めることが可能です。
本記事では飲食店の離職率が高い理由を確認して、定着率を高める方法を解説します。アルバイトの定着率向上に役立つアプリの紹介もしているので、管理者の方は必見です。
飲食店の平均離職率について
上の表は2021年の産業別離職率を表したものです。離職率約25.6%と宿泊業・飲食サービス業が突出して高いことがわかります。産業全体の平均離職率が約12.8%ですので、宿泊業・飲食サービス業の離職率は高いと言わざるを得ないでしょう。ちなみに2019年から2021年までの宿泊業・飲食サービス業における離職率は以下のとおりです。
- 2019年:33.6%
- 2020年:26.9%
- 2021年:25.6%
平均離職率は28.7%となり、10人いれば約3人は離職していることになります。
生活関連サービス業・娯楽業も2021年は離職率22.3%と高くなっていますが、2020年18.4%、2019年20.5%で3年間の平均離職率は約20.4%です。新型コロナウイルスの影響を受けて、一時的に離職率が高まっていると考えられます。
厚生労働省のデータは宿泊業と合わせているため飲食店だけのデータではありませんが、飲食店の離職率は高いと言って間違いないでしょう。
コロナ禍の飲食店で離職率が高い理由
飲食業界は新型コロナウイルスの影響を受けて、状況が一変した業界です。コロナ禍の飲食店でスタッフの離職率が高い理由には以下が挙げられます。
- 過酷な労働条件のイメージがある
- コロナでオペレーションが複雑になっている
- 給与が安いイメージがある
- コミュニケーションが不足している
それぞれの理由を深堀りして確認していきます。
過酷な労働条件のイメージがある
飲食店で働くことに対して、以下のイメージを持っている人も多いでしょう。
- 休みが少ない
- 1日の労働時間が長い
- 土日が忙しい
厚生労働省の令和4年労働総合条件調査によると、宿泊業・飲食サービス業における労働者1人の平均有給休暇取得日数が6.6日だったことがわかっています。産業全体で見ると10.3日なので、休みが取りにくい環境だといえるでしょう。
実際には働く飲食店によって状況が異なるため、一概に労働条件が過酷とは言い切れませんが、離職率が高い要因の1つだと考えられます。
コロナでオペレーションが複雑になっている
新型コロナウイルス感染症の影響により、飲食店のオペレーションは大きく変わりました。
コロナ禍のオペレーションは、入店時の体温チェックやアルコール消毒、大皿ではなく小皿での提供など、従来より複雑です。複雑になったオペレーションはスタッフの負担となります。
テーブルの消毒やトイレの清掃時には感染リスクも高まるため、新型コロナウイルスのまん延はスタッフの精神的ストレスにつながったといえるでしょう。
給与が安いイメージがある
厚生労働省が調査した主な産業別の6ヶ月間の平均賃金は以下のとおりです。
- 宿泊業・飲食サービス業:27万7500円
- 建設業:33万6200円
- 卸売業・小売業:33万900円
- 教育・学習支援業:39万700円
- 電気・ガス・熱供給・水道業:43万3600円
休日や労働時間などの労働条件と同様に飲食店ごとに状況が異なるため、一概には言い切れませんが、飲食店の給与は他の産業に比べて安いと思われても仕方がないかもしれません。仕事がしんどい割には給与が低いという悪いイメージが離職につながっている可能性もあります。
コミュニケーションが不足している
コミュニケーション不足はスタッフの居心地を悪くするため、離職の原因となります。
飲食店は正社員とアルバイトやパートのスタッフが一緒に働きます。アルバイトやパートのスタッフはシフト制で働くことがほとんどであり、中には1ヶ月に1回しか顔を合わさないということもあるでしょう。当然、スタッフ同士のコミュニケーションは希薄になります。
コミュニケーションが不足すると、飲食店の雰囲気に悪い影響が出る可能性があります。正社員が間に入ってコミュニケーションを円滑にできればよいですが、多忙で手が回らないこともあるかもしれません。
アルバイトの定着率を高める方法
離職率が高いとされる飲食店ですが、以下の方法を実践することでアルバイトの定着率を高められます。
- 仕事の負荷を軽減・分散させる
- 店舗DXに取り組む
- 納得感のある評価制度を導入する
- モチベーションを保つ仕組みをつくる
それぞれの方法をポイントをおさえて解説していきます。
仕事の負荷を軽減・分散させる
飲食店の仕事は多岐にわたるため、少人数で対応しようと思うとアルバイトにも高い負荷がかかります。新規の採用を行って人数を増やせればよいですが、人材確保が難しい飲食店もあるでしょう。
アルバイトを定着させるためには、仕事の負荷を軽減・分散させることが大切です。ただし、アルバイトへの負担を少なくして、正社員に高い負荷が掛かってしまっては根本の解決につながりません。仕事の棚卸しによりムダやムラがないかどうかを確認して、効率的に仕事ができるように工夫しましょう。
店舗DXに取り組む
インターネットやIT技術の発達により、店舗DXを導入する店舗が増えています。飲食店で一般的に知名度が高い店舗DXといえば、タブレット端末による注文やPOSレジでしょう。
業務の棚卸しを行い、どの業務がアルバイトの負担になっているかを確認することが大切です。アルバイトの負担が大きい業務を改善するための店舗DXを導入できれば、定着率が高まる可能性があります。
飲食店で店舗DXを取り入れるメリットについては、以下の記事でも詳しく解説していますので、合わせてご確認ください。
納得感のある評価制度を導入する
アルバイトでも公正な評価をしなければ、不満が募り離職につながります。アルバイトを定着させるためには、納得感のある評価制度が必要です。
例えば、以下の項目での評価を3ヶ月に1回行い、時給アップするかどうかを決める仕組みを作ったとします。
- お客様目線に立った接客
- チームワークとコミュニケーション
- QSCを意識した行動
評価される項目が明確になっているため、アルバイトは意識しながら業務に取り組めます。目標を達成すれば時給をアップすると決めておけば、モチベーションを保って業務に取り組めるでしょう。
モチベーションを保つ仕組みをつくる
コミュニケーションが取れておらず、活気がない飲食店では、アルバイトが離職しやすくなります。アルバイトを定着させるためには、楽しいと思える職場作りが大切です。
楽しいと言っても、ただワイワイと盛り上がればよいという訳ではなく、お客様を満足させるサービスを提供して、売上が伸びる飲食店でなければなりません。そのためには、アルバイトにも目指すべきビジョンを提示して共感してもらうことが大切です。
日頃のコミュニケーションからお店の目指すべき姿を伝えて、アルバイトにも協力してもらう仕組みを整えましょう。そうすることで、アルバイトがモチベーション高く働けるようになり、定着率が高まります。
アルバイトのやる気に火を付けるアプリ『botto』
アルバイトの定着率を高めるためには、業務の効率化や公正な評価が大切ですが、それ以上にお店でのコミュニケーションを充実させることが重要です。
飲食店に特化したコミュニケーションツール『botto』を使えば、アルバイトと密なコミュニケーションが取れるようになり、定着率が高まります。『botto』はアルバイトが日々の振り返りを行い、それに対して先輩スタッフや店長がフィードバックするアプリです。アプリの利用により、自然と飲食店に活気がでます。
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